ナレッジとは
社員が業務で得た個別の知識やノウハウを企業全体で一元管理・共有し,問題解決や新商品開発・経営革新に役立てようとする経営手法である。 つまり、配送員や営業マン、事務員等が固有に所有している情報(暗黙知)を誰もが共有できる仕組みとしての情報(形式知)に加工することで、顧客満足度を高めロイヤルユーザーを科学的に獲得しようとするものである。 〔日本の企業でもこの手法の採用に伴い,CKO・ナレッジ-マネージャーなどの新たな役職・職種の導入が始まっている〕 暗黙知:感や経験など個人の固有の知識体系によって成り立つ知識体系形式知:誰もが明確に知覚できる知識体系をいう。
給食弁当店におけるナレッジとは
①見込に関するナレッジ:見込み算出等に関する知識など
②発注に関するナレッジ:原価管理や素材特性・メニューに関する知識など
③製造に関するナレッジ:大量調理技術や生産に工程に関する知識など
④盛付に関するナレッジ:レーンスピードや盛付状態管理に関する知識など
⑤出荷に関するナレッジ:出荷管理や二便調整に関する知識など
⑥配送に関するナレッジ:配達条件や時間管理に関する知識など
⑦受注に関するナレッジ:顧客毎の特殊要件管理に関する知識など
⑧営業に関するナレッジ:顧客属性別アプローチ管理に関する知識など
⑨市場に関するナレッジ:購買動向や購買状況管理に関する知識など
⑩リスクに関するナレッジ:回収管理に関する知識など
生産管理のナレッジ
・原価管理→原価率○○%に抑える (総合原価管理システムによる品質の劣化)
・生産効率→時間当たり生産量の把握
(ベルトスピードの無理な変更によるモラル低下と盛付不良の発生)
・安全衛生管理→異物混入の撲滅、従業員モラルの向上
(総花的な施策と継続力の欠如、古くからのプロダクトアウトの発想)
・ロス管理→作りすぎの無駄を抑える
(情報のスピード、精緻化不足による効果的施策の欠如)
受注管理のナレッジ
・受注数値管理→メモ、管理板等を活用し担当者が集計を行う
(計算ミスや従業員による不正を誘発し、ロスを発生させる)
・顧客管理→特殊コースや顧客の特徴を受注担当者が押さえている
(担当者話中や不在、或は退職で顧客情報が粗雑になり中止を誘引する)
・受注効率→受注人員の適正化と極小化
(受け、掛け、FAX等の効率数値の不明確化により効率化の指標がない)
・データベース管理→顧客名、数、平均単価、中止客、シェア把握
(目的的なデータベース構築が図られないため場当たり的なモノとなっている)
配送管理のナレッジ
・配送効率→一台あたり積数、件数、平均食数で管理する
(ベストプラクティスの算出不足と計算間接経費の増大)
・食数情報→個数完全把握による配送、見込みによる配送(無線等の活用)
個数完全把握→稼働時間の制約による配送効率の劣化
見込みの把握→個数変動によるロス増加と受注作業の阻害(顧客満足劣化)
・配送員が行うコスト管理→予測食数を各人が出し調整する
(依存現象が正当率に対する向上意欲の欠如)
請求回収管理のナレッジ
・回収率基準管理→店別等の回収率の算定により100%を目指している。
(責任及び情報伝達の遅滞並びに不明確化により回収意識の欠如)
・請求作業が情報整理作業→請求書発行時に正式な請求管理が行われる。
(後追い作業による労働時間の増大)
・請求作業をナレッジに生かす
見込み管理のナレッジ
見込み管理とはいわゆる生産予約管理の事です。
生産予約管理とは、前日に翌日生産の数量予約をすることです。数だしとか、生産予定表などと言われたりもします。多くの弁当店では熟練した配送員や配送リーダーが天気や曜日を考慮し数だしをします。これも立派なナレッジで云わば神がかり的なところもあります。
あるところでは、数だしが間違ったために大量の損失を出してしまったということも聞きます。余りの多さに本人を減給の処分にする場合もあります。つまり、数だしはそれだけ給食弁当店にとって重要な作業になるわけです。
これをないがしろにしてはいくら売上を増やしても一方で赤字を垂れ流しにしていることになります。
ナレッジシステムでは、この生産予約の管理を合理的かつ責任の所在を明らかにするための方法を実現しました。弊社ではこれを「見込みナレッジ管理」と呼んでいます。。