コールセンターの勤務シフトを考える【ヒューネットジャパン】
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コールセンターの勤務シフトを考える

コールセンターとは、お客様との電話応対を専門に行う会社のことである。場合によっては、それは社内の一部署として設置してある場合もありますし、或いは、それを業として専門に行っている会社もあります。

コールセンターの業務内容として大きくはコールセンター側から電話を掛けるという「アウトバウンド」と掛かって来た電話に応対するという「インバウンド」に分けられます。

「アウトバウンド」の場合は、企業のセールスであったり、アンケートの依頼等の調査であったり、それは、継続的であったり、短期的であったりします。いずれにしても、企業側からのアプローチであるため、勤務シフトという視点からは無縁の要にも思えます。アウトバウンドで必要な体系はパフォーマンスがどれほどかというよりは、コール数に応じて請求が出来るわけなので、出来るだけ多くの人員の確保が出来れば良いわけです。しかし、そのために、多くの人員を抱えて置くわけにも行かず、又、短期的に雇うのでは個人情報流出の心配もあり(アウトバウンドの場合、殆どが収集或いは企業側より提示された個人情報に基づきアプローチをするので特に注意が必要となります)、短絡的な増員や派遣に頼るということもかなわず、上手に振り分けが出来ないという実情もあります。

これに対して、インバウンドの場合、お客様からの掛かって来る電話応対が主ですので、人の割り振りが大変重要なファクターとなります。
一般的には、注文の受付けや苦情の対応がメインとなるわけですが、これが、働く従業員側の勤務希望日と連携しないために、多くの無駄が出ているようです。

多くの、コールセンターでは、過去の経緯からコール予測数なるものを立て、これに基づき人の配置をするわけですが、従業員側の希望や労働組合等の取決めもあり、十分なパフォーマンスが図られていない状況が散見されます。

弊社におきまして、いくつかの事業所を調査させていただきましたところ、その矛盾金額は多いところで月間で数百万円にまで上っておりました。少ないところでも数十万円という結果となっておりました。これは、電話に出れなかった機会損失は入っておりませんので、それを含めた場合は更に大きな損失を招いていたと考えられます。

主な、原因は、複雑多岐な勤務形態を作成するのに1人の力では限界があるためです。多くのコールセンターでは、いくつかのユニットに分解し、そこの責任者にシフト組みを任せるという体系になっており、その実態は個々人の希望を聞いていくとシフトがマネジメント側の要望を全て受け入れることは困難となってしまうためです。
マネジメント側もそれを承知で、やむなく、ある程度の妥協点でシフトを完成させているようです。

理想でいけば、本来、日々のコール予測数に応じて人員の配置が可能になり、且つ、個々人が抱える個人属性(勤務できるのは火曜日・木曜日・土曜日・日曜日、しかし、火曜日は遅番しか出来ない。月の給料は○○欲しい等など)をシフトの中に反映させ、且つ、その月々ごとに個人の休みの希望も受け入れられて、コストパフォーマンスが優れた状態になっているということでは無いでしょうか。

しかし、実際は、そのような複雑な体系を構築することが難しいために、月の前半や後半、或いは人月単位に勤務区分を固定し、或いは、勤務シフトパターンを作って、その中で無理やりアサインするという、そのような勤務シフト作成がされていることが多いようです。
また、あるところでは、シフトよりも休みを優先してしまうという、正に、お客様ではなく休み中心のシフト組みという本末転倒な展開も散見されました。

中には、夜勤専用のシフトをつくり、このような自体をクリアしているセンター様もありました。若いうち、或いは、勤めが無くしょうがない、また、生活に苦しくそれに対応した時間での勤務を希望するなど、働き側のニーズも捉えた形でうまくゆくように見えたのですが、平均勤続年数が1年弱という極端な定着率の悪さを露呈してしまったという実態も見てきました(勤務当初は、夜勤専門でも良かったのですが、生活環境の変化ともに、日勤への憧れが転職を促進してしまうという実態がみえてきたわけです)。これでは、人員の募集費が人件費の構成を大きく歪めてしまう結果ともなってしまい(人が足りない為に時給を高くし現状従業員との乖離を招いてしまう)更なる離職を招くという悪循環をも招いてしまうわけです。

勤務シフトを作る人間にとって、企業のパフォーマンスを考えないことは無いのですが、自身も日々の現業に追われると検証する暇も無く、最も必要なマネジメントのPDCAを図られていないという事実が見え隠れします。
コールセンターといえば、人が財産で、人がコストとなるわけですが、多くの経営に見られるPDCAが図られていないという驚くべき実態も明らかになりました。

今月の売上予算は一生懸命に立てるのですが、これを構成する人員の予算化は無いに等しいのです。しかし、感心したこともあります。コールセンターの定着率の把握は業務スキルの一定化は元より、年間で立てようとする戦略に対して、十分な人員が確保できるかも非常に重要な要素となります。これを、細かくチェックし、前々と手を打っておられる事業所様もありました。
正に、これはマネジメントです。事前にプランを立て、その結果を考察し、新たな支援策を立案するという体系です。

これが、月単位で戦略的に行われれば、正に無駄な人件費を拠出することなく多くのパフォーマンスを得ることが出来るのでは無いでしょうか。多くのコールセンター様では、勤務シフトのソフトウエアを導入しつつあります。その際にパフォーマンスを重視されるようですが。重要なのはその選定作業を行っている人達が勤務シフト作成のプロではないという点です。従って、その人達は、表面価格だけを眺めて、得られる成果と可能性を十分に把握しきれていない点がいつも心配されます。それは、それ自体が持っている機能の10分の1も活用していない点に見られます。

今、正に勤務シフト作りにおけるリストラクチャリングが求められているのではないかと思います。経営管理という視点から見られてこなかった領域での事柄です。
ある大手計算センターの副社長は「勤務シフトなんてどうせ残業手当がつかない管理者にやらせておけばいいんだ」といった方がいらっしゃいました。このことを聞いた時は開いた口が塞がりませんでした。数千人を抱え日本を代表する会社のTOPと思えない発言と感じました。その会社はそのような価値観で動いていつのだと感じた次第です。
しかし、計算代行をしているその会社でも人の配置の無駄はいっぱいあるはずなのですが、このような考えの元に運営されているため、その機会損失は表に出ることは無く、目に見えるリストラに注目が集まるわけです。

弊社の勤務シフト作成システム「ワークナビ」は、常にマネジメント的な視点に立って作成を行っております。皆様方の中の意見で出来上がっております。いや、作っている最中です。最中というのは、未完成品ということではなく、まだまだ、多くの視点があるのだろうという意識の元に、常にバージョンアップを欠かさないためです。

コールセンター様のシフトは多岐です。10社扱いますと10社が違うという感じです。これは、フォーマットが確立されていないために、試行錯誤が形になっているのではとおもったりもします。これからも、この試行錯誤のお手伝いをしてまいりたいと思っております。

コールセンターの人員配置を予測コール数から算出してみるシュミレーションサイトをオープンしたました。
是非、お試しください。
http://www.hunet-japan.co.jp/worknavi/simulation/callcenter.html